<高校野球神奈川大会:東海大相模5-3横浜>◇29日◇準決勝◇横浜スタジアム

 東海大相模が10年秋から公式戦5連敗を喫していた横浜を倒し、4年ぶりに決勝へ駒を進めた。

 3点リードの9回。2死から3連打を許し1点を返される。なおも暴投と四球で満塁。長打なら逆転の大ピンチでマウンドを託されたのは、2年生左腕の小笠原慎之介だった。「横浜を倒すために冬場の苦しい練習を頑張ってきた」と、冬場毎日10キロ走ったことを自信に変え、思い切り腕を振った。いきなり最速を1キロ更新する146キロをたたき出すと、最後の打者をツーシームで右飛に仕留めた。

 勝ってもナインは泣いていた。大一番を制した門馬敬治監督(44)も、カバンを持つのがやっとだった。「苦しかった。横浜との試合ってこういう試合なんです。僕は挑み続けるしかなかった。いろいろ越えたものが、あるんです」。高い壁を乗り越え、優勝の2文字が近づいた。【和田美保】