<高校野球静岡大会:掛川西4-0日大三島>◇29日◇準決勝◇草薙

 第4シードの掛川西はエース森脇一樹(3年)が9回154球4安打完封の好投を見せ、第1シードの日大三島を下した。決勝は静岡との伝統校同士の対戦となり、今日午後1時から草薙球場で行われる。掛川西は16年ぶりの優勝を目指す。

 カケニシのエース森脇が第1シードを打ち破った。プロ注目の中泉圭祐(3年)をはじめ、強力打線の日大三島相手に連打を許さなかった。特に今大会で1度も三振を喫していなかった中泉から空振り三振を奪った。森脇は「ミーティングで対策を練っていた。同じ球種、コースを続けないようにした」と明かした。

 中泉には高めの真っすぐと低めの変化球で揺さぶった。加えて序盤は直球がシュート回転していたが、結果的に左打者の外角球が逃げるようになり、打ち損じを誘発した。「低めの制球を意識していた」と言うように長打はゼロだった。

 今春はノースローを貫き満を持して最後の夏に備えた。練習試合で徐々にイニングを延ばし、大会初戦の藤枝明誠戦で先発し6回を2失点。3回戦は登板機会がなかったが4回戦の静岡市立戦は6安打完封で復活を印象づけてきた。

 準々決勝の島田商戦では、延長11回に救援したことも背中を押した。「(島田商戦は)レフトで試合を終えるのがイヤだった。しっかり試合を締められてよかった」と、いい精神状態でこの日を迎えた。

 背番号に恥じない投球を披露した。森脇が左翼に入るときは高橋卓矢(3年)斎藤健(2年)らがマウンドへ。森脇は「いい投手が控えているので思い切っていける。斎藤は2年だし負けるわけにはいかない」とライバル心ものぞかせる。

 残すはあと1試合だ。16年ぶりの優勝へ最後は総力戦で臨む覚悟だ。森脇は「甲子園を意識してやってきた。制球を意識して投げる」と強い決意を口にした。【加納慎也】