全国高校野球静岡大会を優勝した静岡の栗林俊輔監督(41)は一夜明けた7月31日、甲子園メンバー18人を決定した。3年ぶりの県大会Vを支えてきた3年生全員を甲子園に同行させる選手構成で、勝利をつかむ構えだ。また同日、午前中がオフとなったナインは午後から学校に集合し、あらためて全国出場の喜びを口にした。なおチームは9日の開会式に備え、明日2日に静岡を出発する。

 早くも静岡は全国に臨む態勢に切り替わった。甲子園メンバー18人が決定。県大会メンバーから田形竜也(3年)と広瀬舜(2年)が外れたが、田形は記録員としてベンチ入り。栗林監督は「3年は全員ベンチに入ります」と説明し、優勝の原動力となった3年の一体感を継続する方針を示した。岸山智大主将(3年)は「記録員も戦力。全員で戦えるのをうれしく思う」と歓迎した。

 午後から集合したナインに笑顔が絶えなかった。前夜は午前1時過ぎまで寝付けなかった岸山は「(録画していた)優勝の瞬間を何度も見てました」と苦笑い。親元を離れて生活している高良将貴(3年)は浜松の実家に戻り「朝の新聞を見て優勝の実感が湧いてきた」とニンマリ。2歳上の兄一将がうれし泣きしてくれたことを明かし「自分のこと以上に喜んでくれていた」。辻本宙夢投手(3年)は「眠れなかった。気持ちが高ぶってました」と歓喜の夜を振り返った後に「甲子園でどう戦うか考えている」と強調した。

 今日1日は県庁などを表敬訪問し、2日は午前練習後、出発式などを経て大阪に向かう。栗林監督は「3年前は初めてのことで前が見えない中で準備してきた。今回は流れを経験しているので準備の仕方が変わると思う」とキッパリ。勝てなかった3年前とは違い、今年は準備万全だ。【加納慎也】