<全国高校野球選手権:明徳義塾10-4智弁学園>◇15日◇1回戦

 明徳義塾(高知)は、智弁学園(奈良)のドラフト上位候補、岡本和真内野手(3年)をノーアーチに抑え、甲子園初戦16連勝とした。

 明徳義塾のエース岸潤一郎投手(3年)が、強打の智弁学園打線を封じた。6回までは接戦の展開だったが1度も追いつかれることなく無四球完投。4度目の甲子園となる右腕は、粘りの投球で最後まで強力打線を抑え込んだ。

 試合前、馬淵史郎監督(58)から「岡本と全打席勝負しろ」と指示され、真っ向勝負を挑み2三振を奪った。2安打1打点は許したが「(岡本には)打たれたけど気にならなかった。2番でしっかり切れたのは大きかった」。6回、8回の3、4打席目の対決はともに先頭打者。走者を置いての対戦を避けたことを勝因に挙げた。岡本同様、警戒していた4番吉岡は1安打に抑えた。

 8回に実現した「岡本投手対打者岸」では完全勝利した。2球目までは変化球で3球目は直球。その配球に岸はニヤリとした。「自分が(岡本を)三振に取った時と同じリードだ」。次の4球目の変化球を読み切り、痛烈な左前適時打につなげた。

 7回に代打専門の田中が3ランを放って勝負が決まった。作戦が見事に的中し、夏の甲子園初戦16戦連続勝利。それでも馬淵監督は「今大会ハイスコアの大逆転劇が多い。勝っている感覚はなかった」と、気を引き締めることは忘れなかった。

 2回戦の相手は大阪桐蔭。馬淵監督は「初戦完璧だったら次に負けるというジンクスがある。完璧じゃなかったからよかったかな」とニヤリ。反省点はあったが、怪物・岡本擁する智弁学園打破を弾みにする。

 ◆代打本塁打

 明徳義塾・田中が記録。通算13人目。明徳義塾の選手は10年に座覇が放っており、同じ学校から2人は初めて。