<全国高校野球選手権:大阪桐蔭4-3三重>◇25日◇決勝

 三重の快進撃はあと1歩及ばなかった。初戦から先発のエース今井重太朗(3年)が決勝も先発。疲れを見せず6回まで1点のリードを守りきったが、7回四死球が絡み逆転を許した。

 疲れよりもこの夏一番投げられた喜びが残った。三重のエース今井は「球数は僕が一番投げられたから満足ですね」。今大会6試合すべて先発。決勝でも粘り強い投球を見せ、6回まで1点のリードを守った。7回裏に四死球が絡み逆転を許したが「自分なりに絶好の状態で投げられたので悔いはない」。最後まで疲れは言い訳にしなかった。

 昨夏は済美、今春のセンバツは智弁学園に敗れ、初戦で涙をのんできた。今夏初戦の試合前の円陣では「悔しさを晴らそう」と鼓舞し合った。それが2戦目からは「楽しんでいこう」に変わっていた。「(決勝を)4点で抑えられてよかった。良い試合が出来て楽しかったです」。1勝の壁を乗り越えて、一番長い甲子園を味わった。【磯綾乃】