<高校野球秋季北海道大会:滝川工7-0岩見沢西>◇20日◇空知地区3回戦◇深川市民

 41年ぶりとなる秋の全道大会へ“視界良好”だ。空知地区で、滝川工のエース鹿島啓太(2年)が、岩見沢西を8回5安打に抑えて公式戦初完封。代表決定戦進出を決めた。

 トレードマークは、青いメタルフレームの知的なメガネ。1年春からベンチ入りし、今ではエースで4番の大黒柱だ。1回は2死満塁、2回2死二、三塁と、ピンチの連続だった序盤を切り抜け、打線の援護を粘り強く待った。8回には、7点目の適時打を自ら放ってコールド勝ち。「調子は良くなかったけど、最低限、まとめられた」と初のシャットアウトを喜んだ。

 主戦となった今秋の2試合で15イニング無失点を誇る。秘密はメガネ。今夏の地区予選前に初めて購入した。「コンタクトも試したんですが、目が細くて、片方入れるのに30分くらいかかっちゃって…」。これまでは、視力0・2ながら裸眼でプレーしていた。「捕手のサインも見やすく、サイン間違いがなくなりました」と効果は絶大で、授業中と野球の時の必須アイテムになった。

 今春は地区代表決定戦で敗れ、わずかに届かなかった全道の舞台。「緊張せず、舞い上がらず、落ち着いてプレーしたい」。4強入りした73年以来の秋全道を、虎視眈々(たんたん)と狙っている。【中島宙恵】