<高校野球秋季福島大会:東日本国際大昌平13-3福島商>◇21日◇準決勝◇あいづ球場

 東日本国際大昌平の主砲梅田瑠偉外野手(2年)が、チームを5年ぶり3度目の東北大会(10月23日~、宮城)出場に導いた。今大会から背番号17で初めて4番に座り、この日は4安打4打点で福島商を下した。東日本国際大昌平は9年ぶりの決勝進出。今日22日の決勝で日大東北と優勝を争う。

 左足を左肘近くまで高く上げる打法で、東日本国際大昌平・梅田のバットが快音を響かせた。初回に先制の中越え2点三塁打。5-2の7回1死二、三塁からは中前に2点打を運んだ。「必ず塁に出る意識でした。結果が出てよかった」と目を輝かせた。5回に左越え二塁打、9回には中前打。本塁打が出ればサイクル安打の活躍だった。

 いわき地区大会ではベンチを外れ、選手が持つバッグの見張り役。地区大会後の紅白戦、練習試合で安打や打点を稼ぎ、吉田幸祐監督(37)が「結果を出したのでチャンスを与えた」と、この県大会1回戦から公式戦初スタメンで4番に抜てきされた。「ベンチ入りして、これはチャンスだと思った」とヒーローはこの時を待っていた。準決勝までの4試合で15打数8安打6打点。決勝進出、東北大会出場の原動力になった。

 足を高く上げる打法は、吉田監督から「ボールに当たった時に力が出る」と教えられ、高校入学時から取り組んでいる。まだ練習試合を含めて本塁打はないが、182センチの長身とパンチ力を生かすため小さなスイングはまずしない。前日20日も、宿泊先の旅館で5秒でフルスイング1本を15分間続けた。「ブン、という音がして振れているな」と、梅田は手応えをつかんでいた。

 今春ベンチ入りも、今夏は外れた。この秋は、見張り番から頼れる4番に大出世した。来春のセンバツにつながる東北大会には「後ろにつないで、チームに貢献したい」と言った。チームの寮でも暇があれば素振りをする新主砲は、福島制覇から秋の大舞台へと乗り込む。【久野朗】

 ◆梅田瑠偉(うめた・るい)1997年(平9)9月17日、宮城県利府町生まれ。青山小2年の時、青山ベースボールクラブで野球を始め捕手。しらかし台中では塩釜中央シニアに所属し遊撃手。東日本国際大昌平では外野手に転向し、1年秋からベンチ入り。182センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は母、兄2人と弟。