<高校野球秋季福島大会:光南5-0福島商>◇22日◇3位決定戦◇あいづ球場

 光南の左腕星雄太朗(2年)が完封で福島商を下し、チームを2年ぶり7度目の東北大会(10月23日~、宮城)出場に導いた。

 光南の星が、名前の通りキラキラ光り輝いた。被安打3の11奪三振。4回以降は打者18人をパーフェクトに抑え込んだ。最長投球回数は7回。新チーム初めての完投を、背番号11の左腕が完封で飾った。「驚きを隠せない」と目を丸くした。

 序盤は高めの速球を武器にして、中盤以降はスライダー中心に組み立てた。奪った11三振のうち空振りが9つ。球威に切れもあった。今春痛めた腰の影響などで背番号1はもらえなかったが、エース級の快投。渋谷武史監督(37)は「東北大会で背番号1になる可能性は十分ある」と昇格の考えを口にした。

 13年に光南を卒業し、西武に入団した佐藤勇(20)に憧れて野球部の門をたたいた。年明けに佐藤があいさつに学校を訪れ、同じ左腕投手の星は刺激を受けた。練習の合間と、毎食白米2合を平らげる食トレに積極的に取り組んだ。腰痛で1カ月半投球ができなかった時期は「走り込みや体幹トレで鍛えた」と振り返る。入学時「60キロぐらい」(星)の体重は67キロに。124キロの球速も136キロにアップして制球力もつけた。それを証明するように、この日は無四球だった。

 ユーチューブなどの動画で佐藤の投球を参考にする。「コースに投げ切れるところがすごい」と目を輝かせた。憧れの先輩は甲子園に行けなかったが、星は東北大会出場でチャンスを手にした。「今日を超えられるような投球ができれば」。来春のセンバツを目指し、輝きをさらに増していく。【久野朗】

 ◆星雄太朗(ほし・ゆうたろう)1997年(平9)4月16日、福島県白河市生まれ。泉崎一小3年の時、水泳と並行してソフトボールを始め投手。泉崎中では軟式野球部で、控え投手だった2年時の県大会出場が最高。光南では1年秋からベンチ入り。175センチ、67キロ。左投げ左打ち。家族は両親、祖父、兄と姉。