<高校野球秋季青森大会:五所川原商4-1青森東>◇23日◇準々決勝◇青森・八戸市長根球場

 五所川原商が青森東を破り、初のベスト4進出を果たした。2回に2点を先制し、終盤にも加点。先発のエース木村翔太郎(2年)が9回2死まで8安打1失点(自責0)に抑える好投をみせた。94年春に4強進出はあるが、秋は初めて。創部44年目の五所川原地区唯一の私立校が新しい歴史を刻んだ。

 五所川原商が会心の勝利を収めた。2回表、走者を二塁に置いての適時打が2本出て2点先制。7、9回はいずれも適時二塁打で効果的な追加点を挙げた。165センチの右腕木村翔は制球よくコーナーを突き1失点。最後は左腕佐々木願(2年)が締めくくった。

 平山悟監督(48)は「木村はゲームをつくれるようになったし、打線は確実に1点ずつ取った。チーム全体よく成長した」と目を細めた。新チーム発足当初、木村はゲームをつくれず、投手陣の柱にもなりきれなかった。リーグ戦、地区予選、そして県大会と日を追うごとに安定してきた。

 木村翔は「エースが決まらない頃から、自分が引っ張るしかないと思い、練習に打ち込んだ」と振り返る。今夏甲子園で東海大四の西嶋亮太(3年)が投げたような山なりのスローボールを時折交え、ストライクも取った。「甲子園をテレビで見て、使えると思った。投球の幅が以前より広がった」という。

 五所川原商は71年創部で夏はベスト8が最高。春秋は94年春以来のベスト4進出となる。「20年前と違って、青森のレベルが上がった中でのベスト4はうれしい」と平山監督。次は昨秋準々決勝で敗れた八戸学院光星が相手だが、工藤克之主将(2年)は「元気とチームワークで甲子園常連校にぶつかる」と闘志満々だ。【北村宏平】