<高校野球秋季静岡大会:日大三島5-0常葉学園菊川>◇28日◇3位決定戦◇草薙

 日大三島のエース小沢怜史(2年)が常葉学園菊川相手に最速147キロ、1安打完封の投球を見せ勝利した。6回まで完全投球で7回に安打と四球を許したが併殺に仕留めるなど、27日の準決勝とは別人の快投を披露し、31年ぶり2度目の東海切符獲得に貢献した。静岡、浜松修学舎、日大三島の3校が10月18日開幕の東海大会(三重)に出場する。

 最後の打者を146キロの直球で三振を奪うと、小沢はくるっとスコアボードに向かって拳を握った。「ボールも走ってたし変化球のキレもあった」。慢性的な肘の痛みが23日の藤枝明誠戦を終えると強くなったという。静岡との準決勝は痛みを感じながらの投球だった。「今までにない痛み」とボールは勢いを欠く。2回6失点で降板したが最後の東海切符獲得に向け「整体で調整した。負けを引きずらないでいけた」と話した。

 6回までは完全だった。残り3イニングだと頭をよぎった7回、先頭打者に右前へ運ばれ続く打者を四球。伝令から「ゴロでゲッツー」の指示が来た。小沢は「四球を出してあわてたけどタイムで間が取れた」と話すように投ゴロ併殺を完成させた。続く打者の4球目にこの日最速の147キロを計測。夏に148キロをたたき出したが「夏は1イニングだけだったので。9回までの中で出せたのでスタミナがついたと思う」と胸を張った。

 ネット裏には愛知2位の愛工大名電ら他県の出場校が熱視線を送っていた。「気にならなかった」と小沢は話すが、3位校は1回戦で2位校と対戦する。小沢は「夏と違って甲子園につながる3位。先輩たちの分まで甲子園に行きたい」と東海大会での力投を宣言した。【加納慎也】