<高校野球青森大会:八戸工大一9-1五所川原商>◇28日◇3位決定戦◇青森県総合運動公園野球場

 八戸工大一が五所川原商を破り、6年ぶり12度目の東北大会出場を決めた。

 八戸工大一が伝統の足攻をみせた。4回表2死一、三塁で重盗を敢行。三塁走者の円子湧士(2年)が本塁を陥れ、先制した。走者が出ては相手を揺さぶり、13安打に6盗塁、敵失(4個)も誘って9得点。今季初先発の左腕大野和羽(2年)が7回を4安打1失点とゲームをつくり、6年ぶりの東北大会の切符を勝ち取った。

 前日27日の準決勝で弘前学院聖愛に0-10の完敗。宿舎に戻ったナインは夕食前の約1時間、自発的にミーティングを行った。「今までやってきたことをもう1度確認し、1つ1つをしっかりやろうと話し合った」。打っても3安打4打点の円子は明かした。

 195センチのエース内沢航大(2年)が打ち崩されて大敗。そのショックから1日でチームは立ち直った。長谷川菊雄監督(37)は「大野の好投は大きな収穫」と喜んだ。大野は夏の準々決勝青森戦に先発し、敗れた。「チームの信頼を取り戻すため、走って足腰を鍛えてきた」と大野は振り返った。

 投の左右2枚看板が確立され、八戸工大一らしい攻撃も復活した。長谷川監督は「東北大会までキャッチボール、バント、走塁をもう1度鍛え直す」と足元を見つめた。【北村宏平】