<高校野球秋季秋田大会:西目9-2横手城南>◇29日◇準々決勝◇こまちスタジアム

 西目が横手城南に勝利し4強に進出した。

 チームのためならどこでも守る。西目の先発右腕加賀谷廉(2年)は6回2失点と力投後、7回裏から遊撃の守備に入った。この回でコールドが決まり、打球は1度も来なかったが「高校では初めて」とサプライズ起用に笑顔を見せた。

 背番号1の佐藤泰成(2年)とエースを争いながら、佐藤が登板する時は三塁、他の投手が投げる時は左翼に入る。普段は投手、内野、外野の練習をまんべんなく行い「捕手以外は出来る」というユーティリティープレーヤー。工藤浩孝監督(48)は「加賀谷には頭が上がらない。彼が中心のチーム」と信頼を寄せる。

 1年秋からベンチ入りも、この夏は右肩の故障で外れた。夏休みは1日2時間のダッシュで下半身を鍛え、秋に照準を合わせてきた。投手に専念したい気持ちもあるが「チームのため」と、どのポジションにも全力だ。4日の準決勝、能代松陽戦に勝てば2度目の東北大会出場が決まる。「やれることをやるだけ」と与えられた役割をまっとうするつもりだ。【高場泉穂】