<高校野球秋季東海大会:静岡12-2日大三島>◇25日◇準決勝◇三重・四日市霞ケ浦球場

 強力打線のシズコウに16年ぶりとなるセンバツの当確ランプがともった。県大会準決勝の再戦は、静岡(静岡1位)が日大三島(同3位)を8回コールドで下し16年ぶりの決勝進出を果たした。5番の安本竜二主将(2年)が2試合連発となるバックスクリーン弾などチームは3本塁打を放った。新チーム発足から全試合で“コールド”勝ちを収め、来春センバツ切符をほぼ手中に収めた。今日26日の決勝で県岐阜商(岐阜2位)と対戦する。

 またもやシズコウ打線が爆発した。1回に安本の2点適時打で先制すると、4回には先頭の安本が追加点の一撃を放った。「センターフライかと思ったけど」と話したが、土岐商戦に続いて力強く振り切った打球は失速知らずだった。「右に大きいのを打つように意識している」と話すが、自身初のバックスクリーン弾に新たな手応えを感じたようだった。

 8回には平野英丸(2年)がコールドを決める満塁弾を放った。通算4号だが「公式戦も満塁も初めて」と笑顔だった。厳しく内角を攻められたが、わずかな失投を逃さない。「内角だったけどやや内に来た。失投だと思う」と振り返った。県大会決勝もスコア展開ではコールド勝ち。無類の強さを聞かれると、平野は首をかしげながらも「1球1球を集中して練習している」と答えた。

 昨秋の東海大会準決勝。安本は9回表に代打を送られ、代わって右翼に入った平野の前にサヨナラ安打が飛んだ。試合後に泣きじゃくったあの悔しさから1年がたった。平野は「あの負けの悔しさで冬を乗り越えて夏につながった」と道のりを振り返った。夏の甲子園を経験した安本も「何度も(甲子園出場という)目標を確認してきた」と日々の成長を実感している。試合前日には控えメンバーが献身的にサポートしたという。力が最大限発揮できる環境が整っている。

 センバツ選考は来年1月23日。その前に東海大会を制覇し、来月14日開幕の明治神宮大会切符も手にするつもりだ。【加納慎也】