日本高野連が来春から導入を目指しているタイブレーク制について、全国の代表者から「待った」がかかった。日本高野連は15日、神宮球場で、来年の硬式野球の春季大会で、一律にタイブレーク制を導入する案を全国9地区と東京の代表者と話し合いを行ったが、合意を得られなかった。これにより、来春の地区大会と都道府県大会で一斉に採用する可能性はなくなり、修正案を練って27日の理事会に提出する。

 日本高野連・竹中雅彦事務局長は会見の冒頭、「結論からいいますと、来年の春は、我々の示した案通りでは難しい」と説明。当初の流れでは、この日に賛同を得て、日本高野連の理事会で承認を得る方針だった。だが、「賛成意見も、少し待ってほしいという意見もあった。反対意見の方が数としては少なかったが、消極的な賛成もある」(竹中事務局長)と、2時間の会議ではまとまらなかった。

 主な反対意見は、もっと現場の意見を聞いて欲しいという要望や、各地区大会は今年度内の3月末に始まる地区があることによる、時間的問題などが出た。導入時期をもっと延ばしてほしいという意見が主で、竹中事務局長は「牛歩のようですが、トップダウンはしたくない。最大公約数的な、これであれば仕方ない、という制度を考えていきたい」と言った。

 今後は、理事会で賛成を得るために、導入する来春の大会数を絞るなど、修正案を作成する方針だ。本来、来年は直接甲子園出場が懸からない春季大会からテスト的に導入し、春夏の甲子園では、最短で再来年の16年から実施する青写真があった。だが、その前段階で反対意見が噴出し、当初の予定からは大幅に後退。27日の理事会で修正案にも賛同を得られなかった場合は、来春のタイブレーク制導入自体が、消滅する可能性が出てきた。