第80回記念選抜高校野球大会が22日、甲子園球場で開幕する。開会式直後の第1試合に「21世紀枠」の成章(愛知)が登場。伝統の強打が自慢で「ヒグマ打線」と評される駒大岩見沢(北海道)と対戦する。エース右腕・小川泰弘(3年)は自らがヒグマ打線を打ち取る姿をイメージ。同校甲子園初勝利を頭に描き、準備は万全だ。また開幕を前日に控えた21日、開会式のリハーサルが行われた。

 エース小川が“ヒグマ退治”を宣言した。

 「特に意識はしていない。どんどん(バットを)振ってくるチームだが、自分が有利なカウントでも気を抜かないようにすれば大丈夫」。地方大会でチーム打率3割9分5厘と出場36校中2番目の強力打線も気にするそぶりはなかった。

 「ヒグマ打線」攻略のイメージはできている。初戦を前日に控えた21日、成章は西宮市内の野球場などでキャッチボール、シート打撃など約3時間の練習を行った。小川も約30球の投球練習を実施。そこで「すべての投球で空振りを取る姿、校歌を歌っている姿を寝る前に考えている」とイメージトレをしていることを明かした。小川の頭の中にはすでに勝利への道筋が描かれている。

 170センチ、71キロと比較的小柄な小川は、コントロールを武器に打たせて取る投球が持ち味。昨年から今年にかけての年末年始、愛知県選抜チームの一員としてアメリカ遠征も経験。「フォークで三振も取れたし、細かい技術で通用するところもあった」と手応えをつかんでチームに戻ってきた。糟谷寛文監督(56)は「小川がコントロールをしっかりしてくれれば大丈夫」とエースに絶大な信頼を寄せている。

 「21世紀枠」として36年ぶり2度目の出場を決めた同校だが、前回は初戦で諫早(長崎)に3-5で敗れた。開会式直後のオープニングゲーム。大観衆が予想されるが、「どれだけ早く平常心になれるかがポイント」と糟谷監督。小川は「みんな緊張すると思うが、ボクは冷静に投げられると思う。イメージしているんで」とニンマリ。小川の右腕が同校の甲子園初勝利を導く。

 

 

 

 【桝井聡】

 ◆小川泰弘(おがわ・やすひろ)1990年(平2)5月16日、愛知県田原市生まれ。赤羽根小3年の時に野球を始める。赤羽根中では野球部に所属。170センチ、71キロ。右投げ右打ち。家族は両親、姉3人、兄、祖母。○…開幕初戦の成章の試合には大応援団が詰めかける。地元・田原市民ら約6500人が、バス96台に乗って駆けつける予定。4300人収容の三塁側アルプス席に入りきらないため、一部は外野席で声援を送ることになった。糟谷監督は「大応援団が選手たちのプラスになると思う」と話した。成章ナインにとって何よりの心強い味方だ。