花巻東みちのく初Vならず/センバツ
<センバツ高校野球:清峰1-0花巻東>◇2日◇決勝
花巻東(岩手)の左腕、菊池雄星投手(3年)は124球を投げ抜き7安打4奪三振と好投したが、1点に泣いた。東北勢悲願の初優勝は、またもかなわなかった。
菊池は涙をこらえ切れなかった。試合直後、白熱の投手戦を演じた今村から「夏にまた会おう」と握手をしながら声をかけられた。さらに止まらなくなった。応援団の方向へ歩き出したが、足元もおぼつかない。その後はベンチに寄りすがって、しばらく号泣した。
最速152キロ左腕の肩は、連投で悲鳴を上げていた。2死からの四球で沈んだ。7回2死一塁、この日最速の144キロ直球を9番打者の橋本に中越えの適時二塁打を許す。重い1点だった。「思い切り投げた球なので悔いはないです。疲れはあったけど、自分の投球を全国のみなさんに見せられました」と、涙をぬぐって言った。
あの日も泣いた。センバツ出場が決まった1月23日。東北大会準優勝の一関学院(岩手)の出場が確実視されていたが、逆転選出された。授業中に知らされたナインは廊下に出て喜びを爆発させたが、教室でうれし涙を流した。そんなエースに、ナインも一丸となった。ブルペンに人形を立たせて内角攻めを練習していたが、チームメートが防具を身に着けて打席に立った。制球を誤って体にぶつけることもあったが、エースのために仲間が体を張った。
菊池 野球の神様が、夏に優勝を目指すために準優勝にしてくれたと思う。上には上がいることを、教えてくれた。明日からまた、練習します。
あと1歩でかなわなかった東北勢初の全国制覇、そしてライバルへのリベンジと、確かな目標ができた。夏こそ、聖地で喜びの涙を流す。【由本裕貴】
[2009年4月3日8時53分 紙面から]
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