調布南(西東京)の左腕エース高野健投手(3年)はプロも注目する都立の星だ。最速138キロの直球に加え、カーブ、スライダー、フォーク、シンカーと多彩な変化球を持つ。特にインコースに鋭く入るストレートは右打者泣かせだ。「自分がチームを引っ張っていかないと」と意気込む。

 178センチ、74キロで、体重は去年より6キロ増えた。一冬越えて下半身が安定。巨人、阪神、ヤクルト、日本ハムなどプロのスカウトも注目する存在になった。巨人織田スカウトは「体も大きくなり、夏の成長を期待する選手の1人」と話す。

 私立の強豪校に進む道もあったが、チームの明るい雰囲気が気に入り、調布南を選んだ。評定平均は4・0以上。「ある程度勉強もしたかった」と、文武両道を実践する。昨年は初戦の日野戦で延長15回232球を投げ15三振を奪った。「今大会は自分がすべて投げ抜くつもり」。初の甲子園も夢物語ではない。

 今はコントロールの精度を高めることを課題とする。手のマメは努力の証しだ。「自分は夏に調子がいい」。夏の活躍次第では、05年の中日高江洲(府中工出身)以来、史上3人目の都立高から直接プロ入りが見えてくる。