<高校野球南神奈川大会:横浜7-0日大藤沢>◇15日◇2回戦

 南神奈川大会2回戦で横浜が日大藤沢を7回コールドの7-0で破り、初戦突破した。エース左腕の土屋健二(3年)が7回を2安打無失点に抑え、7奪三振と好投した。今春のセンバツでは優勝候補に挙がりながら、北大津(滋賀)に初戦敗退。その雪辱へ向け好発進した。

 横浜が06年以来13度目の夏の甲子園へ好スタートを切った。先発土屋が7回を2安打無失点で、三塁を踏ませなかった。奪った7三振はすべて空振りという力投に、土屋は「高めのボール球を振ってくれた。キレもあったと思います」と胸を張った。

 冷静だった。2、4回に先頭打者を出したが、「相手が動くのが見えた」とそれぞれ一塁けん制でアウトにした。今春センバツ出場校が各地で次々と敗退。土屋は「大事な初戦。緊張感をもって臨むことができました」と振り返り、渡辺元智監督(63)も「本調子ではないが、強豪相手によく抑えてくれました」と目を細めた。

 優勝候補に挙げられたセンバツでは初戦の北大津戦に先発したが、7回5失点でまさかの敗退。渡辺監督から「松坂(レッドソックス)や涌井(西武)のような選手になれる技術はある。あとはピンチでどう踏ん張るかだ」と精神的な甘さを指摘された。練習中は何度も「我慢」という言葉を意識し必死に鍛えた。5月にはセンバツ優勝の沖縄尚学・東浜巨と練習試合で対戦。優勝投手のツーシームを生で体験した。「全国優勝するには新しい球種が必要と思った」と、新球のツーシームとカットボールをマスターした。

 5月下旬には右足人さし指を亀裂骨折するアクシデントもあったが、これで完全復活。強豪校との対戦が続くが「目標は全国制覇です。1戦1戦大切に投げます」。成長した左腕が見据えるのは春の雪辱だ。【横山元保】