<高校野球宮崎大会:宮崎商2-1日南学園>◇21日◇決勝

 宮崎ではプロ注目左腕の赤川克紀投手(3年)擁する宮崎商が39年ぶり4度目の甲子園切符をつかんだ。

 宮崎商のエース赤川はマウンド上で両手を突き上げて喜びを表した。ナインが駆け寄り、184センチの大きな体が埋もれた。赤川は「疲れはあったけど、みんなの気持ちを込めて投げました」。笑顔がはじけた。

 最後は力勝負だった。9回に1点差とされ、なおも2死満塁。打席にはライバル左腕の有馬翔(3年)がいた。今大会の506球目は「力が入った」と外角高めへ。その141キロの直球に有馬のバットが空を切った。3球三振。39年ぶりの甲子園をつかんだ瞬間だった。

 前日は中1日で105球を投げていた。18日は延長15回、193球の力投だった。そんなエースはこの日も5回まで無安打投球。緩急を使った投球が光った。9回を6安打1失点。6月に成合重登副部長(34)の指導を受け、スローカーブを覚えた。これで緩急が使えるようになり、安定感を増した。

 力勝負1本やりだった5月の関東遠征では、東海大相模の主砲・大田泰示遊撃手(3年)に場外弾を浴びた。甲子園で対戦したい相手を聞かれると「東海大相模っすね」。リベンジするつもりだ。「宮崎で1番の左投手になれた。今度は全国で1番になりたい」。赤川は晴れ舞台でのさらなる飛躍を誓った。