<高校野球西愛知大会:中京大中京4-0享栄>◇22日◇準々決勝

 今春のセンバツに出場した中京大中京が熱田球場で享栄と対戦。ドラフト上位指名候補の八木亮祐投手(3年)を攻略して4-0と快勝した。

 ドラフト上位候補左腕・八木を飲み込んだ。1回2死二塁。カウント0-1から八木が投じた真ん中直球を中京大中京の4番井藤真吾外野手(3年)が中前にはじき返して先制。「まっすぐを狙っていた。チームに貢献できて良かった」。今大会19イニング無失点と快進撃を続けていた八木からいきなり1点をもぎ取った。

 指揮官の助言が“八木攻略”につながった。大藤敏行監督(46)は「八木君はいいピッチャーであることは確か。それでも7割がストレート。あえてストレートを狙いにいかせた」とニンマリ。先制点と同様に2回には先発・竹内大助投手(3年)が直球を中前にはじき返して1点を追加すると、8回にもダメ押しの2点。積極的な「ストレート打ち」で高校屈指の左腕から9安打4得点を奪った。

 初戦となった菊華との2回戦では4-3と辛勝。夏の初戦はハラハラの発進だった。それでも3回戦、4回戦とコールド勝ちで勝ち上がってきた。全国各地の地方大会で今春のセンバツ優勝校・沖縄尚学(沖縄)、準優勝の聖望学園(南埼玉)などセンバツ出場校が次々と姿を消す波乱が起きている。そんな中で、中京大中京は着実に春夏2季連続出場へ歩を進めている。

 この日、昨年の覇者・愛工大名電が東邦に1-8の7回コールド負けを喫したように、負けたら終わりのトーナメント戦の怖さはつきまとう。それだけに井藤は「ここで喜んでも意味がない。決勝で勝たないと意味がない。自分の結果はどうでも良い。とにかく勝ちたい」と気を引き締め直した。4年ぶりの夏の甲子園まで、あと2つだ。【桝井聡】