桐生一(群馬)の甲子園出場が可能になった。日本高野連は1日、大阪市内で全国理事会を開き、現役野球部員が強制わいせつ容疑で逮捕された同校の第90回全国高校野球選手権大会の出場を認めることを決めた。桐生一の青柳正志部長(53)が責任を取って辞任、福田治男監督(46)は留任し、新部長には現コーチの桑原孝規氏(29)が就任する。この日の開会式リハーサルでは全選手がそろって行進した。大会は2日に開幕し、桐生一は大会6日目第1試合で金沢(石川)と対戦する。

 桐生一に出場可能の一報が届いたのは、日本高野連の全国理事会が終了した午後4時前だった。練習を終え、宿舎に戻っていた選手たちにもすぐに伝わった。安堵(あんど)し、涙を浮かべて報告を聞いた。福田監督は「3年間頑張ってきた部員の夢である、甲子園でプレーできるということに対して、高野連の判断に非常に感謝してます」。時折涙を浮かべた。

 この日の午前中には福田監督と青柳部長が学校に対して辞意を伝えていた。福田監督は「自分が身を引いてでも、子どもたちには一生に1度の甲子園に出させてあげたかった」と話す。学校側の判断で福田監督は留任、青柳部長が責任を取って辞任する。

 日本高野連の全国理事会では、出席した33人の理事が全会一致で出場を認めた。西岡宏堂審議委員長は「やったことは許されないが、連帯責任を取らさないという現在の流れを守って欲しいということ」と説明。05年は明徳義塾(高知)が複数部員の暴力事件、喫煙で出場辞退した。この件との明確な違いは集団性を挙げ、田名部和裕参事は「5人以上がかかわると、部の体質が問われる」との見解を示した。

 桐生一ナインは、甲子園で行われた開会式リハーサルに参加。鈴木佑太主将(3年)は「普段と変わりません。今回のことは重く受け止めたい」と話し、練習場に向かった。出場決定後は、選手の精神的疲労を考慮して個別取材は禁止された。福田監督によると、鈴木主将は「同じ野球部の後輩が犯した事件に申し訳ない気持ちでいっぱい」と話しているという。

 初戦は大会6日目の金沢戦になる。福田監督は「今まで練習で積み重ねてきたものを、試合にぶつけてほしい。生徒には難しいかもしれないけど、今回の反省を含めて、一生懸命戦って欲しい」と願った。