駒大岩見沢打線爆発で16強/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:駒大岩見沢8-3盛岡大付>◇9日◇2回戦
ヒグマ打線がまたも噴火した。夏4度目の挑戦で初戦を突破した駒大岩見沢(北北海道)は、盛岡大付(岩手)との2回戦も8-3と打力で圧倒、3回戦進出を果たした。導火線となったのが5回裏、0-0で飛び出した佐藤秀輝一塁手(3年)の先制ソロ。これで火がついた打線は6、7、8回にも好機に爆発、エース板木勇幸(3年)を援護した。駒大岩見沢は北北海道勢としては95年の旭川実以来の8強をかけて、大会12日目の13日第3試合で智弁和歌山(和歌山)と対戦する。
7番打者の打球とは思えない大飛球がバックスクリーンに飛び込んだ。5回裏、0-0の均衡を破る佐藤秀のソロアーチ。一塁を回ったところでヒーローは右拳を突き上げた。「外野を越したとは思ったけど、まさか入るとは」。汗まみれの顔がほころぶ。この佐藤秀の1発が6、7、8回と続くヒグマ打線爆発の呼び水となった。
181センチ、86キロのチーム一の巨体。長打力ももちろんある。だが本塁打は公式戦初だった。その潜在能力とは裏腹に、好機に安打が打てなかった。高橋真次監督(34)が「クリーンアップを打てるパワーがある」と認める半面、力が入りすぎる弱点もあり、春の地区予選では背番号も15だった。守備も慣れない三塁を守る日々が続いた。
そこからはい上がった。中学時代は「バットは長く持つもの」を信条とし、本塁打狙いが佐藤秀の打撃だった。だが好打者ぞろいの駒大岩見沢では、その打力は埋もれてしまっていた。先制弾を放った5回の打席では、右飛に終わった3回の打席より指1本分だけバットを短く持った。だが初球を振り遅れ、ならばと指3本分短くしたバットスイングが、本塁打につながった。6回には三塁線を割る二塁打も放ち、試合を決定づける4点目をたたき出した。
北北海道大会の決勝(白樺学園戦)ではおっつける打撃にするため、それまでの3打席(すべて遊ゴロ)より重いバットを使ってダメ押しの2点右前打をたたき出した。常に工夫と努力を忘れなかったことが、この日の一打に結びついた。スタンドの訪れた父勝さん(44)の目の前で打った初めての本塁打でもあった。
お立ち台は3失点完投の板木だったが、佐藤秀は「板木が踏ん張っていた。僕はそれに便乗しただけ」と、エースに手柄を譲った。1回戦は9番・高木の三塁打から一挙6点のビッグイニングが生まれた。そして今回、自ら「裏の4番のつもりでいる」という7番佐藤秀が自負通りの打撃を見せた。上位から下位まで、誰もが主役になれるヒグマ打線。「ヒーローは日替わりでいいんじゃないですか」(佐藤秀)。智弁和歌山との3回戦では、誰がヒーローになるのだろうか。【本郷昌幸】
[2008年8月10日10時24分 紙面から]
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