青森山田、木下導いた16強/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:青森山田4-0本庄一>◇11日◇2回戦
青森山田が4-0で本庄一(北埼玉)を下し、2年ぶり5度目のベスト16進出を果たした。6回に5番荒張夏樹右翼手(3年)のテキサス安打で先制。終盤も相手ミスに乗じ加点した。投げてもエース木下龍二投手(3年)が要所を締め6安打完封。5安打と打線が湿りがちな中、試合巧者ぶりを発揮した。3年ぶりの1大会2勝を挙げ、青森県勢夏通算30勝目を飾った。ベスト8をかけた3回戦は、陸の王者・慶応(北神奈川)と激突する。
この夏にかける思いが、バットに伝わった。6回2死一、二塁。「落ちてくれ」。インコースの球に詰まらされた荒張は、祈りながら走った。執念は通じた。相手遊撃手のグラブをかすめ後方にポトリと落ちる、今大会チーム初の適時打。泥臭く先制点をもぎ取った。
昨年は背番7をつけながら、控えに甘んじた。好調な先輩選手の陰で、荒張は調子を落とし出場なし。「悔しい気持ちがあった」と振り返る。5番打者として帰ってきた甲子園。困難も抱えていた。「暑さがきついんです」。アトピー性皮膚炎を患うため、夏は最もつらい時期という。薬を塗ったり、祖母の明美さん(67)が送ってくれた健康水を飲むなどして対処している。その祖母が見守る中、苦しい思いをぬぐい去る一打を放った。
チームは、散発3安打だった1回戦(○2-1日本航空=山梨)に続き、相手を下回る安打数。痛打、快打での得点はない。それでも、青森山田の攻撃は洗練されている。8回は相手失策と暴投で1死三塁とすると、犠飛で1点。9回も8番宮守淳貴遊撃手(2年)の投手強襲安打で遊撃手に球が転がると、二塁から豊田駿介三塁手(3年)が一気に生還。渋谷良弥監督(61)の采配もさえる。けん制悪送球で二塁に進んだ宮守に「打者が(9番の)木下だったし、イチかバチかで暴投を狙った」と三盗のサイン。これが狙い通りに捕手の悪送球を誘い、4点目を挙げた。
守備も堅い。無失策に加え、好プレーが続出した。6回2死には左翼への大飛球を曲尾マイケ(2年)がフェンス際で好捕。7回無死では斎藤樹伸一塁手(3年)が、右前に抜けようかという打球をダイビングしてアウトにした。加えてエース木下は、大会史上初となるチーム4年連続完封(継投除く)をやってのけた。「守りから攻撃につなげる」という基本通りの野球スタイルを、青森山田は見せる。
次戦は88年ぶりに夏2勝を挙げ勢いに乗る慶応だ。青森山田にとって3回戦は1つのヤマ。95、05、06年と3度敗退している。同校最高成績の99年以来2度目の8強がかかるが、荒張は力強く語った。「僕らは秋から『史上最強』を目標にやってきた。最後まで勝ち進みたいんです」。【清水智彦】
[2008年8月12日12時8分 紙面から]
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