菊川が県勢68年ぶり4強/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:常葉学園菊川13-10智弁和歌山>◇16日◇準々決勝
両軍15安打ずつの打撃戦を制した。常葉学園菊川が13-10で強打の智弁和歌山(和歌山)に打ち勝ち、県勢では39、40年の島田商(4強、準優勝)以来、68年ぶりの2年連続4強入りを果たした。0-2で迎えた5回裏、1番酒井嵩裕遊撃手(3年)の2点適時打で逆転。6回には前田隆一三塁手(3年)の3ラン本塁打など、打者15人の猛攻で一挙10点を奪った。これで県勢春夏甲子園通算130勝。準決勝は17日午前11時、浦添商(沖縄)と対戦する。
酒井の打球が、遊撃手の前で大きくはねた。1-2の5回裏2死二、三塁。140キロの真ん中直球を思い切りたたいた打球はイレギュラーし、中前へ抜けた。逆転の2点適時打。「甲子園の神様が味方してくれた。あそこは二塁走者が蹴るところ。2回戦の最後も(守備で)イレギュラーを捕った。何となくイレギュラーするなと思った」。4度目、14試合目の甲子園。グラウンドを熟知している。
エース戸狩聡希(3年)が、ひじ痛を抱えている。投手陣を大量点で援護すべく、強打の智弁和歌山に打撃戦を挑んだ。5、6回と無死から走者を出しながら、犠牲バントを使わない。酒井は「点を取らないと勝てない。(戸狩を)助けようという気持ちがあった。積極的にいってビッグイニングをつくろうと話していた」。一挙10得点した6回にも、2打席連続タイムリーとなる左翼越え二塁打。ここまで9打数1安打と打撃不振だったが、7回にも中前打するなど3安打3打点と爆発した。
相手と差があったのは守備力だ。2つの併殺を奪った二遊間のコンビネーションが光った。9回表、1四球を挟んで4連打を食らった。3点差まで追い上げられたところで、町田友潤二塁手(3年)が強烈なゴロを素早く処理。二―遊―一の併殺に仕留めた。打つだけでなく、守備でも投手を助けた。
職人肌の町田は「ショートバウンドにグラブを出したら入った。速い打球は準備している。9回に精神的な余裕がなければ、追い込まれた時にいつも通りのプレーはできない。4回甲子園に出て分かった」と平然と答えた。コンビを組む酒井が「あれはマッチ(町田)しか捕れない。普通の二塁手では捕れない。さすがです。(守備の)師匠です」と舌を巻いた。2人のグラブの形は同じで「日本一の二遊間」の刺しゅうも一緒だ。
3試合連続の逆転勝ちで、戦前の島田商に並ぶ2年連続4強入り。県勢の春夏通算甲子園130勝も達成した。昨年敗れた準決勝は、最速148キロ右腕の伊波翔悟(3年)を擁す浦添商が相手。前田主将は「球が速く、打たせて取る投手という印象。どれだけ打てるかが課題。絶対に打ち勝ちたい」と意気込んだ。勝って、県勢では73年の静岡以来35年ぶりの決勝進出を果たし、82年ぶりの夏全国制覇を狙う。【斎藤直樹】
[2008年8月17日10時48分 紙面から]
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