県勢82年ぶり大旗菊川王手/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:常葉学園菊川9-4浦添商>◇17日◇準決勝
常葉学園菊川が9-4で浦添商(沖縄)を下し、同校初、県勢では73年の静岡以来、県勢35年ぶりの決勝に進んだ。2回裏、2番伊藤慎悟中堅手(3年)の中越え3点二塁打、5番前田隆一主将(3年)の満塁本塁打などで一挙9得点。史上初となる3試合連続7点以上のビッグイニングをつくり、初戦から4試合連続の逆転勝ちとなった。決勝は18日午後1時、県勢では26年の静岡中以来82年ぶりの優勝を懸け、大阪桐蔭(大阪)と対戦する。
逆転の菊川だ。4試合連続の逆転勝ちで、常葉学園菊川が昨年敗れた準決勝の壁を突破した。0-1で迎えた2回。先頭の4番中川雅也右翼手(3年)が遊撃強襲安打で口火を切ると、打者12人の猛攻で一挙9得点。2死満塁から走者一掃の中越え二塁打を放った2番伊藤は「泳いだけどよく飛んだ。外角を狙っていたので体が反応した。センターが捕りそうだったけど、予想以上に伸びてくれた」。外角低めのスライダーに、体勢を崩しながら懸命に食らいついた。
敵失、四球を挟むと、前日に3ラン本塁打を放った5番前田は140キロ内角直球を左翼へ高々とはじき返し、県では史上3本目となる満塁本塁打で猛攻を締めた。「信じられない。何が何だか分からない。よく覚えていない」。直球を打ったが、スライダーと勘違いするほど興奮した。県勢初の2試合連続本塁打は、県勢の夏通算30号というメモリアル弾になった。大阪出身の前田は小学校時代の夏休み、毎日のように甲子園で名物のカレーを食べながら高校野球を観戦していた。「雰囲気が好き」という球場で歴史に名を刻み、大会通算打率は6割4分3厘にも達した。
3回戦(対倉敷商)の5回(7点)、準々決勝(対智弁和歌山)の6回(10点)に続き、史上初となる3試合連続7得点以上のビッグイニングをつくった。だが、毎回の13安打を浴びながらも、ここからは鉄壁の守備で流れを渡さない。4万4000人の大観衆をうならせる華麗な動きで3併殺を奪い、9点を守りきった。
6回表1死満塁、町田友潤二塁手(3年)は投手の頭上を抜けたライナーをダイビング捕球した。そのまま二塁にタッチして併殺完成。準々決勝に続く超美技で、ピンチを脱出した。「絶対に捕れると思った。ゲッツーを取れば、一瞬にして流れが来る。打点を入れた感じ」とサラリ。前日から右腰には痛みがあり、テーピングをしている。職人肌の町田らしく、痛がるそぶりは見せない。投手を助けるべく、淡々とアウトを積み重ねていく。最後は得意のバックハンドトスで二―遊―一の併殺を決め、ゲームセットに持ち込んだ。
常葉菊川にとって初体験となる夏決勝だが、ナインに気負いはない。町田は「高校野球の最後の公式戦。楽しみたい」。勝とうが負けようが、笑顔で夏を終えるだけだ。【斎藤直樹】
[2008年8月18日11時12分 紙面から]
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