プロの遺伝子を受け継いだ“2世コンビ”が日大三(西東京)攻守の要となる。

 ヤクルト角富士夫2軍守備走塁コーチ(53)の長男・角鴻太郎左翼手(3年)と、日大三OBで元南海・吉沢俊幸氏(54)の長男・吉沢翔吾遊撃手(2年)だ。

 角は06年夏の西東京大会決勝で斎藤佑樹(現早大3年)率いる早実と戦った日大三の戦いぶりを観戦して「小倉監督の下でやりたい」と入学。今春から左翼手となり人生初の外野に「最低限守れるようにしたい」と謙虚な目標を掲げる。「長打力がない」と自己評価した打撃を補うために、ライナー性の打球を打つように心掛ける。好きな球団は「もちろんヤクルト」と胸を張る。

 一方、吉沢はセンバツで71年優勝、72年準優勝メンバーだった父を追って入学を決めた。遠投110メートルの強肩が自慢で、父と同じく遊撃手で活躍する。中学時に所属した越谷シニアでは早実・鈴木健介投手(2年)とチームメートで「早実には絶対に負けたくない」と対抗心を燃やす。

 打順は角が6番で吉沢は7番。「家ではあまり野球の話はしない」(角)、「帰った時はよくします」(吉沢)と正反対の2人だが、目指すところは「もちろん甲子園優勝」と笑顔で声をそろえた。