<高校野球青森県大会>◇15日◇2回戦

 センバツ出場の光星学院が、東奥義塾を8-0(7回コールド)で下した。エース下沖勇樹(3年)が7回を1安打5三振2四死球で完封。最速147キロと自己最速(148キロ)には及ばなかったが、春夏連続甲子園へ好発進した。2年連続ベスト8の浪岡は延長11回、3-2で五所川原商に勝利。田名部は延長12回、1-0で八戸東にサヨナラ勝ちした。

 時折、激しく降る雨も、下沖の球の勢いは止められなかった。速球にフォークなど変化球を交え、快調に飛ばした。奪三振は5個と打たせて取り、東奥義塾打線に最後まで、つけ入るスキを与えなかった。4番打者としても3打数2安打2打点と大暴れだ。

 ネット裏の巨人藤本スカウトのスピードガンは最速147キロを計測。同スカウトは「腕がよく振れてセンバツの時より、よくなっている。スピードだけを意識すれば、もっと出ると思う。夏の甲子園に出たら150キロはいくんじゃないか。東北では菊池雄星(岩手・花巻東)と双へき」と絶賛した。

 下沖は「初戦で緊張し、立ち上がりは力みがあったが後半は自分のピッチングができた」と話した。センバツで初戦敗退の借りを返すため、何としても優勝しなくてはならない今大会。「東奥義塾は強いと聞いていたので気を抜けなかった。いいスタートを切れて良かった」という。

 金沢成奉監督(42)は「初戦ということと、相手がベテラン外崎監督の東奥義塾なので、下沖の先発を決めた。正直いやな相手だったから」と話した。「下沖は最初、少し硬かったが、後は本来のピッチング。このぐらい抑えて当然でしょう」とエースへの全幅の信頼をのぞかせた。

 「スピードにはこだわらない。(菊池)雄星は雄星、自分は自分らしくいきたい。でも、甲子園でまた会いたい」と下沖。完全燃焼の夏へスタートを切った。【北村宏平】