<高校野球西東京大会>◇28日◇準決勝

 西東京は27年ぶりとなる日大勢の決勝対決となった。日大二が小平を5-2で、日大三が日野を7-6と都立勢を破り「兄弟」で甲子園切符を争う。

 日大二の「仕掛け」が実ったのは、0-0で迎えた4回だった。横山達也(2年)の右前打に、2四球が絡んで1死満塁。ここで、小平の抑えエース八木将太投手(3年)を引きずり出した。早い出番に、八木の制球が定まらない。暴投、押し出しの2死球で3点。さらに1点を加え、わずか1安打で4点を奪った。

 田中吉樹監督(51)はしてやったりの表情で振り返った。「分析通りでした」。同監督は準決勝を前に、小平の試合のビデオを持ち出し、2日間かけて分析。26日の国学院久我山戦では4回5四死球と制球を乱していたのを見逃さなかった。結論は「走者を背負った場面では制球が乱れる」だった。初回から早打ちすることなく、ボールを待った。先発の山崎哲史投手(3年)は3回までに63球も投げて降板、狙い通りに攻略した。

 この援護を背に、横山-石井達也(3年)のリレーでリードを守り抜いた。2失点で7回途中まで投げた横山は「粘る投球でゲームをつくることができた」と満足そうに話した。

 日大三との決勝対決は、甲子園出場を果たした82年以来となる。もっとも年に1度は日大一(東東京)も交え3校で定期戦を行っている。一、二、三高にちなみ11月23日に行うが、昨年は日大三にしてやられた。

 田中監督は「小倉監督には本当にお世話になっている。(日大三とは)大人と子供みたいなものだから、一生懸命やるだけ」と挑戦者の姿勢を崩さない。それでも最後には「今日と明日で(日大三を)もちろん分析しますよ」と不敵な笑みを浮かべた。