<高校野球大阪大会>◇19日◇2回戦

 PL学園は2-0で今宮工科を破り初戦突破。「清原2世」勧野甲輝一塁手(3年)は今大会初本塁打を放ったが、走塁で負傷し途中交代した。

 高校最後の夏は、試練の季節になった。初戦でPL学園・勧野が天国と地獄を味わった。8回2死一、二塁。一塁走者として、山崎和人三塁手(3年)の左中間を破る二塁打でホームに向かい、三塁ベースを回ろうとしたところで右肩から前のめりに崩れ落ちた。右足首を押さえ、うめき声をあげ、地面に転がった。

 仲間の肩を借りベンチに戻ったが「痛がり方が普通じゃなかった」(河野有道監督=61)と、9回の守備は交代。試合後は脂汗を浮かべて大阪・富田林市内の病院に急行。骨に異常はなかったが、足首の靱帯(じんたい)を痛め、20日に精密検査を受ける。

 前半無得点の苦戦で、突破口を開いたのは勧野の一振りだった。6回2死の第3打席で左翼スタンドに高校通算27号ソロ。12球団30人のスカウトの前で「さすが勧野」を印象づけた直後の災難。万全なら、次戦の23日3回戦・浪速戦は投手として先発予定だったが、厳しいかもしれない。

 適時打を放った山崎は「あそこで打てたのは“迷わずバットを振れ”と塁上の勧野らが叫んでくれたおかげ。勧野が戻るまで勝ち続けるしかない」と言った。大阪連覇を目指すPL学園が、正念場に立たされた。【堀まどか】