このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > 野球 > MLB > オールスター特集 > ニュース


MLBオールスター特集2007


イチロー球宴初ランニング弾/MLB球宴

<オールスター:ア・リーグ5-4ナ・リーグ>◇10日(日本時間11日)◇AT&Tパーク

 【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=四竈衛、千葉修宏、山内崇章、鉄矢多美子】マリナーズのイチロー外野手(33)が、またまた金字塔を打ち立てた。第78回オールスター戦で7年連続7度目出場のイチローはア・リーグの「1番中堅」で先発。メジャー球宴史上初のランニング本塁打を含む3安打2打点の活躍で日本選手初のMVPを獲得した。球宴本塁打、マルチ安打も日本人選手初。イチロー自身も日米通じて公式戦初のランニング本塁打だった。記念球は米野球殿堂入りが決まった。

 ボンズを見に来た満員のファンが、イチローにくぎ付けとなった。右前への快打、外角低めカーブを左前へ落とした安打に続く5回の第3打席。1死一塁で、初球を振り抜いた。

 パドレス・ヤングの89マイル(約143キロ)内角低め直球を捕らえると、打球はレンガ仕様の右翼フェンスに張り付けられた球宴用垂れ幕を直撃。右翼グリフィーが、予測とは違う右翼線方向へ転がったクッションボールの処理を手間取る間に、軽やかに本塁を駆け抜けた。

 「越えてた方が良いですよね。イヤな球場だと、本当に思ったもん」「疲れちゃって大変でしたよ。昨日も今日も走ってないから。いかに走り込み不足がたたるかということを痛感しました」などと報道陣を笑わせたが、球宴史上初となるランニング本塁打。歴史に名を刻み、ファンの喝采(かっさい)を浴びた。

 試合前セレモニー。通算打率3割2厘、660本塁打を誇るジャイアンツ史上最高のスター、ウィリー・メイズ氏(76)が登場し、イチローも目の当たりにした。「あの瞬間に同じフィールドにいられた事は生涯忘れることはない。メイズさんが実際にプレーしているところを見てみたかったです」。実はイチローの本塁打をアシストしたのは同氏の背番号24とほぼ同じ、高さ25フィート(約7・6メートル)の通称「メイズ・フェンス」。不思議な因縁となった。

 5回裏の守備から交代。引き揚げてきたベンチ裏の通路で、日本報道陣の取材を受けた。お気に入りのイタリアン・レストランを予約してあったイチローは黒いジャケットに細い白いタイを締め、試合中に球場を出ようとした。だが、呼び止められた。「早く帰ろうとしたら、MVPの可能性があるからって、止められたんです」。続々と帰宅する仲間を横目に、試合終了まで待機した。

 9回裏、マ軍の同僚プッツが1点差に詰め寄られたが辛勝。イチローはMVPを獲得した。「最終的にものすごくドキドキさせられましたけど、こういう形で獲得できて、生涯忘れないでしょう」。試合後、フィールドでセリグ・コミッショナーに祝福され、トロフィーと副賞の車を手にした。「大きなトロフィー? ところが小さいんですよ。びっくりした。こんなにちっちゃいんだって」と、口ぶりも軽やかだった。

 移籍1年目の01年に新人王とリーグMVPを獲得。04年には262安打でメジャー最多安打記録。06年に日本を率いてWBC優勝。数々の重圧の中で、日本野球のレベルを世界にアピールし続けてきた。今球宴もその一環。イチローは、この夜の球宴MVPが1つの集大成だという。「過去6年間と違う自分がいることを感じることができたのがうれしかった」という。

 記者会見の最後、今後の目標を宣言して、ニヤリと笑った。「せっかくアメリカンリーグが勝ってアドバンテージを取ったわけですから“何とかシリーズ”に行ってみたいですね」。ア・リーグ球団が得たワールドシリーズ開幕権。マ軍進出へ、その言葉はリップサービスに聞こえなかった。【千葉修宏】

[2007年7月12日9時32分 紙面から]

関連情報

最新ニュース

記事バックナンバー



このページの先頭へ