マーリンズが6月28日、本拠地マーリンズパークで「ジャパニーズ・ヘリテージ(日本の伝統)・デー」を開催する。メジャーではこれまで複数の球団が同様のイベントが行っているが、マーリンズがジャパンデーを開催するのはこれが初めて。球場内の広場で伝統芸のショーなどが行われ、特別チケットには特製Tシャツが付いてくる。地元ファンが日本の文化と伝統に触れるイベントだ。

 ジャパンデーが行われる数週間前、このイベント企画の打ち合わせのため、マイアミ在総領事館の担当者が球場に来ていた。マーリンズの球場では日本関連のこうしたイベントはこれまでなかったが、イチローの加入がきっかけで今年、開催することが決まり、来年以降も日本人選手の所属の有無にかかわらず継続していきたいという。

 フロリダというと、知っているようであまりなじみがないかもしれないが、州内には08年以降の5年間で在留邦人は41%増、日本人観光客は1・8倍増えている。日本はフロリダ州の貿易相手国5位と、ブラジル、中国、コロンビア、チリに次いで貿易が活発で、輸入相手国は中国に次いで日本が2位。日本に進出しているフロリダ企業にはハードロックカフェ、フーターズ、バーガーキングなど有名な外食チェーン店が結構ある。総領事館はこうした日米関係をさらに深めるため活動しているわけで、その一環として野球場で開催されるジャパンデーのイベントにも深くかかわっているのだ。

 ちなみにメジャーの各球場ではジャパンデーだけでなく、さまざまな国のイベントが行われている。ラテン系住民は米国人口の17%と多いためヒスパニックデーは多くの球場で行われているが、他にドイツ、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、韓国、フィリピンなど、土地柄ごとにそれぞれ特色あるイベントが開催されている。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)