オンとオフをはっきり区別する米国ではメジャー選手のオフの動向はこれまでほとんど表に出なかったが、最近は選手がSNSで積極的に写真を公開するため、ファンが選手のオフ中の動向もリアルタイムで知ることができるようになった。シーズン終了後は海外に出掛けていく選手も多く、マリナーズのロビンソン・カノ内野手はイタリアの観光地を毎日のように飛び回る様子をインスタグラムに投稿していた。カノは日米野球で昨年11月に来日したときも、故障で帰国するまでは大阪や東京の街を精力的に歩き回っており、かなりの旅行好きだ。

 またメジャーは毎年、海外での野球普及を担う国際親善大使を選手の中から選んで派遣しており、レイズのクリス・アーチャー投手は昨年は南アフリカ、今年10月下旬には台湾を訪れた。日本には2012年12月に、カーティス・グランダーソン外野手(現メッツ、当時ヤンキース)が同じく国際親善大使として訪れている。そのとき取材をさせてもらったが、来日中は交流会やスポーツビジネスのセミナーにパネリストとして参加するなどスケジュールに追われながらも「日本はビューティフルカントリーだね。和食も大好きだ」と初めて訪れた国を楽しんでいた。

 今オフはブランドン・マウアー投手らパドレス関係者が来日し野球教室を開催するが、お忍びで来日する選手もいるかもしれない。今年のワールドシリーズに進出したメッツのエース右腕マット・ハービーが、夏前にプライベートで日本に行きたいと話していたからだ。日本にはまだ行ったことはないが、非常に興味を持っているという。昨季はメッツに松坂大輔投手(ソフトバンク)が所属しチームメートだったため、同投手と連絡を取り情報収集をしようとも考えていたらしい。チームが予想以上の快進撃でワールドシリーズまで進みシーズンオフに入るのが遅かったため、旅行計画がその後どうなったのかは分からないが、日本に行きたいと思ってくれただけでもうれしいものである。