メジャーの選手枠から外れ、「会長付特別補佐」に就任したマリナーズのイチロー外野手(44)が、4日(日本時間5日)、記者会見に臨み、今回の措置にいたるまでの経緯や率直な心境を明かしました。

 現役を引退するわけでなく、今後もチームに同行し、毎日、ユニホーム姿でチームの全体練習にも参加します。ただし、試合でプレーするわけではなく、選手登録もされていません。組織上は、マリナーズのフロントに属する職員と同じ立場ということになります。

 となると、どんな肩書で呼べば、いいのでしょうか…。

 「イチロー特別補佐」。

 「特別補佐のイチロー氏」。

 「イチローさん」。

 「鈴木一朗氏」。

 どれをとっても、ピンときませんし、何とも違和感があります。

 ということで、イチロー自身に尋ねてみたところ、返ってきた答えが、これでした。

 「本当だよね…。どうします? これって、僕が決めていいもの? これって誰が決めるものなんですか? イチロー、でいいんじゃない? それは変わらないからねえ」。

 確かに、「イチロー」は変わりませんが、呼び捨て感たっぷりの呼称には、やはり抵抗があります。すると、イチローは、笑いながら付け加えました。

 「そんな、裏じゃみんな呼び捨てしてんだからいいよ。そこはちょっと皆さんのセンスに任せないと」。

 言うまでもありませんが、イチロー自身にすれば、自分で決めるどころか、ほとんどどうでもいいことなわけです。

 もっとも、かつて引退直後の松井秀喜氏が、メディア上の表記が「松井選手」から「松井氏」に変わったのを目にした時、「あらためて引退したんだなと実感した」と話していました。イチローの場合、引退していないわけですから「氏」は使われないはずです。

 ちなみに、NHKはこれまで通り「イチロー選手」、活字媒体は「イチロー外野手」「イチロー選手」に分かれているようです。

 いずれにしても、「イチロー氏」となるのは、もうしばらく先のことのようです。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)