いよいよ間近に迫ったMLB2015シーズン開幕。ヤンキースでは田中将大が6日のブルージェイズ戦で開幕投手を務める見込みだ。

 その田中は先月31日のオープン戦最終登板で76球を投げるなど上々の仕上がりを見せている。ただアメリカのメディアでは昨年右肘を傷めた田中の健康面について不安視する報道も多い。

 ニューヨークの地元紙デイリー・ニュースの電子版は1日、元レッドソックスの投手で殿堂入りしているペドロ・マルティネス氏がラジオで、田中のスプリング・トレーニングでの投球にはためらいがあり、ヤンキースのエースはシーズンを通じて健康ではいられないだろうという見方を示したことを大きく報じている。

 マルティネス氏は「1年を通じて彼が健康だと思えない。今も健康に見えない。今完全に健康ではないと敢えて言いたい」と語り、田中の状態が現在も完全ではなく、1シーズンもたないだろうと語ったということである。

 一方、ニューヨーク・ポストは同じく1日付で、ヤンキースのシーズン予想記事を掲載したが、その記事でも田中の健康面への不安が大きく取り上げられていた。「最も重要な投手」として田中が挙げられたのだが、やはり昨シーズン、サイヤング賞と新人王の候補になる活躍を見せたものの、右肘を負傷したことを紹介。以前のピッチングを取り戻し、10月まで怪我をしないことの不安が指摘されていた。

 さらに「監督の最大の決断」として田中やCCサバシア、マイケル・ピネダら健康面に不安を抱える先発投手陣をいかに扱っていくかがカギになるだろうとしている。さらに「最も影響を与えるであろう怪我」という項目でも、「もしマサヒロ・タナカがトミー・ジョン手術を受けることになれば、3年連続暗い10月がやってくるだろう」とした。

 これほどまでにニューヨークのメディアは田中の怪我に対し、大きな不安を抱えているのである。と同時にこれほど大きく報じられていることに、田中がいかにヤンキースにとって大きな存在、まごう事なきエースとなっていることも実感できたのだが。

 ぜひそんな不安を払拭するシーズンを通しての活躍を田中には期待したい。