開幕から1週間あまりとなったMLB2015シーズン。メディアでは早くも各選手の好不調が取りざたされている。ヤンキースの田中将大投手に対してニューヨークの地元メディアが厳しい目を向けているのは日本でも大きく報じられているとおりだ。

 一方で“未来のスーパースター”とチームメイトやメディアから絶賛されているのがヤンキースのライバル、レッドソックスのムーキー・ベッツ外野手だ。ベッツは2011年のアマチュア・ドラフトで5巡指名を受け、レッドソックスと契約、昨シーズン途中にメジャー昇格を果たした22歳。52ゲームに出場し、55安打、5本塁打、打率2割9分1厘という記録を残している。

 今シーズン、ベッツは開幕から中堅手、1番打者としてレギュラーの座をつかんだ。これは昨年8月に7年7200万ドルという大型契約で入団したキューバ出身のルスネイ・カスティーヨ外野手が肩の負傷で欠場していることが背景にある。しかし地元ニュースサイトBoston.comなどは例えカスティーヨが復帰しても走攻守が揃ったベッツがレギュラーの座を守るだろうとまで評しているのだ。

 ではそのベッツの活躍ぶりとはどんなものだろうか。特に大きく注目されたのが13日、本拠地フェンウェイパークの開幕戦となったナショナルズ戦だ。

 まず1回表、ナショナルズの1死走者1塁の場面で3番ブライス・ハーパーが放った右中間への大飛球をスタンド・イン直前でジャンプしてキャッチし、まず守備で魅せたのである。

 続く1回裏、ベッツは四球で出塁。3番デービッド・オルティズの初球、ナショナルズが右寄りのシフトをしくと、ベッツはすぐさま2盗に成功した。さらに3塁ががら空きになっていることを事前に確認しており、起き上がりざまに3盗を決行。相手投手と遊撃手がカバーに向かうも追いつかず、ベッツは一度に2つの盗塁を決めたのである。

 さらに今度は2回裏、再び打順が回ってくると、フェンウェイ名物グリーンモンスターを超える大本塁打を放った。

 こうした鮮烈な活躍にベッツの評価はうなぎ登りといった状況で、多少身内びいきもあるかもしれないがベッツの叔父でレッドソックスでも活躍したテリー・シャンパート氏は「2年前ヤシエル・プイグがドジャースで起こしたのと同じことが起きるだろう」とコメントしている。ベッツ旋風が吹きまくることになるかもしれない。