5日のナショナルズ戦で今シーズン2度目の2ゲーム連続マルチ安打を記録したマーリンズのイチロー外野手。6日も1安打で、メジャー通算2867安打で、歴代42位のベーブ・ルースまであと6安打と迫っている。

 そんな好調を維持するイチローとは対照的に、チームは6日も5対7で破れ、6日終了時点で13勝15敗、ナ・リーグ東地区4位に沈んでいる。この事態にチーム首脳陣は早くも大ナタを振るい始めた。5日、ジャロッド・サルタラマッキア捕手を放出したのである。

 現在30歳のサルタラマッキアは2010年にレンジャーズからトレードでレッドソックスに移籍、2011年から特に打撃面で成長を見せ、正捕手の座をつかんだ。2013年まで3年連続で100ゲーム以上に出場、2012年に自己最高の25本塁打を放ち、2013年には打率2割7分3厘、本塁打14本という記録を残している。そしてその年のシーズン後FAとなり、マーリンズに3年総額2100万ドルという契約で移籍したのだ。

 こうして主軸を打てる正捕手として期待されたサルタラマッキアだったが、その後不振を極める。昨シーズンは114ゲームに出場したものの、打率は2割2分、本塁打11に留まった。今シーズンは開幕からさらに混迷を深め、9ゲームの出場で安打はわずか2本だけ、打率は6分9厘という惨憺たる状況だったのである。

 これに対してチームは先月23日以降サルタラマッキアをベンチに下げ、さらにトレードを模索しているとの報道が出ていた。スポーツ専門局ESPNのジェリー・クラスニック記者のツイートによれば古巣レッドソックスやインディアンズ、マリナーズなどと交渉していたようである。

 が、サルタラマッキアの契約は今年を含めあと2年、1500万ドル残っており、この高額な契約がネックとなってトレードはまとまらなかったようだ。その結果、マーリンズは1500万ドルの支払い義務があるまま、サルタラマッキアを放出するという決断に至ったのである。

 チーム再建のためとはいえ、なんとも手痛い状況ではある。これがカンフル剤となってくれるといいのだが。一方、サルタラマッキアは放出により、FAとなるため、最低年俸程度で獲得に興味を持つチームがあるのではと見られている。サルタラマッキア自身はレッドソックスに戻りたいようだ。双方の今後に期待したい。