昨今、日本でもスポーツ選手を含む有名人などがツイッターやフェイスブックなどSNSで問題のある投稿をし、いわゆる炎上騒ぎになることが頻発している。それはアメリカ、さらにMLB関係でも同じだ。現地25日、スポーツ専門局ESPNが問題のあるツイートをしたとして、解説者カート・シリング氏を現在行われているリトルリーグ・ワールドシリーズの中継から降板させたと発表した。

 シリング氏といえばフィリーズなどで豪腕投手として活躍し、216勝を挙げ、3116奪三振を奪った元大投手として知られる。ダイヤモンドバックスに所属していた2001年と2003年に、レッドソックスにいた2004年にはワールドシリーズ優勝を経験。特に2001年はワールドシリーズMVPに輝いた。オールスター選出も6回を数えるほどである。

 2007年に引退した後は解説者としてラジオやテレビで活躍し、2010年からはESPNと契約して高い人気を博してきた。また昨年2月に咽頭がんを患ったことを告白したが、8月には治療に成功したことを発表、さらに注目されることとなったのである。

 そんなシリング氏だが、25日にツイッターで1940年にドイツの人口に対するナチス党員の割合と現在のイスラム教徒に対する過激派の割合を掲載したアドルフ・ヒトラーの画像を「真実を知ると数学に驚愕する」というメッセージとともに投稿したのだ。

 これに対し、イスラム教徒を批判する内容だという声が一斉に上がったのは当然のことだった。

 ESPNの広報はすぐに「カートのツイートはまったく受け入れられないし、我々の会社の考えを現したものではない。カートに対し厳重に注意し、彼を現在のリトルリーグから降板させた」との声明を出し、無期限の出演停止処分を課したのである。

 たしかに日本やメキシコ、台湾などアメリカ以外に8つの国と地域のチームも参加しているリトルリーグ・ワールドシリーズにとってこの発言は最悪だったといえるだろう。

 シリング氏は26日、「自分の出演停止処分を理解し、受け入れる。100%自分の過ちだ。悪い選択が悪い結果を生んだ。これは自分の全てにおいて悪い決断だった」という謝罪をツイートで行った。

 SNSでの振る舞いは十分に気をつけなければならないということを改めて思い知らされた一件となった。