22日、ロイヤルズのヨルダノ・ベンチュラ投手が故郷ドミニカ共和国で交通事故に遭い、25歳の若さで死亡した。

 ベンチュラは最速100マイル(約161km)の速球を持ち前とし、昨シーズンは11勝を挙げ、3年連続2桁勝利を記録していた。通算成績は94試合の登板で、38勝31敗、防御率3・89。

 その速球から大型投手と思われがちだが、背は高いとはいえず、線の細さが目立つ投手だった。スポーツ専門局ESPNのウェブ版は身長が6フィート(約183cm)と登録されていたが実際にはそんなにはなかっただろうと指摘している。それ故、全力投球が印象的であり、またチームメイトに愛される存在だったとした。

 またベンチュラとは別にインディアンスなどでプレーしたアンディ・マルテ内野手も、やはりドミニカ共和国で運転中の事故によって同日に死去している。

 MLB公式サイトによれば、「メジャーでのマルテの最後の出場は、2014年8月6日のベンチュラのロイヤルズ戦だった」ということだ。

 2人の死によってドミニカは沈痛な雰囲気に包まれているようだ。ロイヤルズのデイトン・ムーアGMはベンチュラの死に対し、「若くて才能に恵まれ、いつも笑顔だった。今は彼の死を悼みたい」との声明を出している。

 と同時に選手がドミニカに帰国したり、訪問したりした時の安全への疑問の声も上がっている。やはりESPNはMLBの複数のチームがオフシーズンにドミニカに行くことに対して懸念を持っていると伝えている。また別の記事では、ドミニカで自動車を運転することは安全管理上どうなのか、という指摘もされていた。

 MLBでは昨年9月に16勝を挙げていたマーリンズのホセ・フェルナンデス投手がボートに乗船中に岩に衝突し、帰らぬ人となる事故も起こっている。それだけに今回3人の選手が立て続けに亡くなったことに対するショックは大きい。オフフィールドやオフシーズンにおける安全上の行動管理について契約の制限を厳しくする、といった論議が今後高まるかもしれない。