現地11日、経済誌フォーブスが恒例のMLBチーム資産価値ランキングを発表した。それによると最も資産価値が高いと評価されたのはヤンキースで37億ドルだった。ヤンキースはこれで20年連続同ランキング首位となった。

 2位はドジャースで27億5000万ドル、3位レッドソックス27億ドル、4位はワールドシリーズ王者カブスの26億7500万ドル、5位ジャイアンツ26億5000万ドル、6位メッツ20億ドルと続く。20億ドル以上と判定されたチームが6つあるのである。

 対して最も資産価値が低いとされたのはレイズで8億2500万ドル、次がアスレチックスで8億8000万ドル、レッズが9億1500万ドルだった。

 平均は15億3700万ドルとなっている。これはプロアメリカンフットボールNFLの23億8800万ドルに次ぐもので、世界のトップ・サッカー・チーム20の平均14億6800万ドルを上回っている。

 この平均資産価値は昨年に比べ19%も伸びている。ヤンキースは9%の伸びにとどまったが、最下位のレイズは27%も伸びているのだ。こうした伸びの要因として同誌はまず各チームによる地元地域のケーブルテレビ局との放送契約が続々と更新されていることを挙げている。ネットやレコーダーでの録画視聴が普及するなか、MLBを始めスポーツは生放送で見られる優良コンテンツとしてその価値が上昇を続けており、ローカルなケーブルテレビ局でもこれまで以上の放映権料での契約が続いているのだ。

 さらに2000年に全チームが出資して設立され、現在はディズニーやプロアイスホッケーNHLも一部出資するインターネット関連会社MLBアドバンストメディアも各チームの伸びの要因となっているようである。同社はMLBゲームのネット配信やウェブサイトの運営を行うほか、他スポーツにまで事業範囲を拡大するほど成長を続けている。同誌によれば同社の成長が各チームの資産価値に4~5億ドルも寄与しているということだ。

 一方、前回紹介した各チームの選手年俸総額との関連も興味深い。資産価値1位のヤンキースは年俸総額が2億154万ドルで2位、資産価値2位のドジャースは年俸総額2億4200万ドルで1位であり、なんとなく納得できる。しかし年俸総額が2億ドルで3位のタイガースの資産価値は平均以下の12億ドルにすぎないのだ。

 こうしたランキングを見ると各チームの経営状況について考えさせられるのである。