現地16日のフィリーズ戦で7回4安打1失点9三振の快投を見せ、今季4勝目を挙げたレンジャーズのダルビッシュ有投手。これで日本人投手6人目となるメジャー通算50勝、109試合での到達は日本人最速だ。

 そんなダルビッシュの活躍とともに最近アメリカのメディアが盛んに報じているのが、トレード、それもヤンキースが獲得に動くのではというものだ。さらにそれに伴って日本ハムの大谷翔平投手の名前も出てくるのだから面白い。

 まずダルビッシュだが、自身は好調なものの、レンジャーズは17日時点で20勝20敗の五分、首位アストロズから8・5ゲーム離されてア・リーグ西地区3位となっている。そのため早々とシーズンをあきらめ、7月のトレード期限には今シーズン限りで契約が切れるダルビッシュをトレードに出し、チーム戦力の刷新にとりかかるのでは、というのである。地上波FOXの電子版やニュージャージーのニュースサイトnj.comなど複数のメディアがこの考えを伝えている。

 そしてそのトレード相手として有力視とされているのがヤンキースだ。ヤンキースは現在23勝13敗でア・リーグ東地区首位を走る。ただ2位オリオールズは0・5ゲーム差に迫っているうえ、特にCCサバシア投手など先発陣はここまで出来すぎで、いずれ調子を落とすだろうと懸念する声が多いのだ。そのためシーズン中の投手の補強が必要であり、ならばエースの実力を持つダルビッシュを取るべきだ、という論法である。

 報道の数々を見ていると、このトレード交渉が進展する確率は高いようにも感じられる。ただこうしたトレードは水ものであり、どうなるかはわからない。

 さらにこうしたダルビッシュのトレード報道で散見されるのが大谷の名前なのだ。なぜ大谷が絡むのか。それはレンジャーズのジョン・ダニエルズGMらが今月11日千葉・鎌ケ谷でリハビリ中の大谷を視察したことが関係している。今回の視察によってレンジャーズが今オフに大谷獲得の考えを持っていると捉えたということだ。

 ただテキサスのメディアがそのままに伝えているのに対し、nj.comはヤンキースがダルビッシュを獲得すればその関係性から大谷はヤンキースと契約することを望むのでは、と報じておりそれぞれ地元びいき的な考えになっているところが興味深いのだが。

 ダルビッシュ、さらには大谷の行方は各メディアの願いどおりになるだろうか。