メジャーリーガーだとしても私生活はある。試合もトレーニングもないときには一般人と同じような余暇の過ごし方をするのだ。そして自分がまだ見ていない好きなドラマや映画のストーリーを誰かが話しているのを聞いてしまうと嫌な思いになるのもまたメジャリーガーも同じである。そんなことを改めて示すこととなったのがレイズのエバン・ロンゴリア三塁手だ。

 レイズ一筋にプレーするロンゴリアは2008年にメジャーデビューするといきなり打率2割7分2厘、27本塁打を記録し、新人王を獲得した。その後もコンスタントに活躍を続け、これまで3回のオールスター選出、2回のゴールドグラブ賞受賞、2009年にはシルバー・スラッガー賞にも輝いている。今シーズンも25日までで打率2割6分8厘、14本塁打、59打点でチームの中核を成している。 ただロンゴリアはメジャーリーガー故、他の多忙な人々と同じく自分の好きな番組の放送を生でなかなか見ることができない人々の一人でもある。

 一方日本でも放送されているファンタジー・ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(GOT)はアメリカで絶大な人気を誇る。アメリカで放送するケーブルチャンネルHBOは第7シーズンを現地16日から放送を開始したばかりだ。23日夜には第2回が放送された。

 幸いこの日、レイズはレンジャーズ戦をホームでデーゲームで行ったため、選手たちはこの第2回の放送を観ることが可能だったのである。が、スポーツ専門誌スポーツイラストレイテッドの電子版によるとGOTの大ファンであるロンゴリアは試合の後家族と夕食に出かけ、帰宅後子供たちを寝かしつけたのだとか。そのため余りに疲れたので肝心の放送を観ることを諦めてしまったのだという。

 翌日はやはりホームでオリオールズ戦がナイターで組まれていた。チームメイトにGOTのファンが多いことを知っているロンゴリアは「ネタバレ」を恐れ、なんとロッカールームのホワイトボードにでかでかと「GOTの第2回をまで観ていない人たちがいます。その会話はひそひそ話でお願いします」というメッセージを書いたのである。その写真をインスタグラムに自身でも投稿していた。

 メジャーリーガーがそこまでするほどGOTは人気があるんだ、と思うと同時に、その気持ちよくわかるなぁと思ってしまう、ある意味微笑ましいエピソードであった。