昨年に続き停滞してきた今オフのFA市場で遂に大きな動きがあった。ドジャースからFAとなっていたマニー・マチャド内野手がパドレスと10年総額3億ドルの契約で合意した現地19日に米スポーツ専門局ESPNやMLB公式サイトなど複数のメディアが報じ、チームもこれを認めたのだ。

FAの契約としては1年あたりの年俸は2008年にヤンキースと10年総額2億7500万ドルの契約を結んだアレックス・ロドリゲス元内野手を抜きMLB史上最高、アメリカのスポーツ史上でも最高額である。

ドミニカ系アメリカ人のマチャドは2010年にドラフト全体3位指名でオリオールズと契約、2012年8月にメジャーデビューを果たすと2試合目で2本の本塁打を放つなどいきなりその才能を開花させ、翌13年には本塁打14本71打点打率2割8分3厘の活躍でオールスターに初選出、ゴールデングラブ賞も受賞、MVP候補にもなった。これまでオールスターに4度選出、ゴールドグラブ賞も2回受賞している。昨年は7月にドジャースにトレードで移籍し、チームの2年連続ワールドシリーズ進出に貢献すると共に打率2割9分7厘、37本塁打、107打点で自己最高の成績を残した。通算成績は打率2割8分2厘、175本塁打、513打点となっており、現在26歳とまさに波に乗った攻守に優れたトップ選手なのだ。

それだけに今回の大型契約となったのだが、この記録、さらに契約総額の記録もすぐに抜かれるだろうというのがもっぱらの見方である。総額においては現ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手が2014年にマーリンズと結んだ13年3億2500万ドルが最高となっている。年俸と総額の両方で抜くのは確実とみられているのはナショナルズからFAとなっているブライス・ハーパー外野手だ。

2015年のナ・リーグMVPでオールスター6回選出、これまで184本塁打、521打点、打率2割7分9厘のハーパーは今オフFA史上の目玉中の目玉であり、その動向が注目され続けている。ESPNのバスター・オルニー記者は情報筋の話としてマチャドの契約によって、ハーパーの契約交渉が加速した模様だとコメントしている。

実際、大物FAの契約が決まるとその他のFAもどんどん契約がまとまっていくという現象はこれまでも起こってきた。スプリングトレーニングが進むなかで、今後どのFA選手がどこに行くのかしばらく目が離せそうにない。