MeToo運動もあってアメリカでは女性進出の動きが活発になっているが、現地23日ベースボールの世界でも小さな、しかし画期的な出来事があった。マイナーリーグ、A+のセイラム・レッドソックスとポトマック・ナショナルズの一戦のラジオ中継をメラニー・ニューマンとスージー・クールという女性だけの出演者チームで放送したのである。アメリカのプロ野球で女性だけが中継を担当したのは史上初だという。

ニューマンは10年以上に渡りダブルAのフリスコ・ラフライダースで実況席や現場でリポーターを経験し、実績を積んできた。一方、クールはカロライナリーグで昨年初の女性実況者となっており、今シーズン両者のコンビによる放送実現が期待されていたのである。クールは元々現場リポーターになることを希望していたという。スポーツサイト、ザ・アトランティックに対し「自分たちの履歴を見れば、これはやるべきじゃないと思わないでしょう。まだ現場の仕事をしたいとどこかで思っています。しかしこの1年、放送ブースに入ることでこのニュースが作られることを見ることを本当にエンジョイしています。チャンスが与えられるまで自分が何ができるかわからないんです」と喜びととまどいを明かしている。

たしかに日米に限らず、野球中継での女性の活躍というと現場レポートが主流だった。ただアメリカでは少しずつ放送ブースへの進出が始まっており、ヤンキースのラジオネットワークでは解説者として知られたスーザン・ウォルドマンが実況を担当している。またスポーツ専門局ESPNのサンデーナイト・ベースボールではジェシカ・メンドーサが解説を務めている。さらにロッキーズのジェニー・カバナーは昨シーズン過去25年間で初めてレビで実況を行った女性となった。また、プロアメリカンフットボールNFLでも1試合、アマゾンプライムによるストリーミングで実況、解説とも女性が務めた事例が出ている。

今後もこうしたこれまで男性の職場と考えられてきたスポーツ放送の世界にどんどん女性が進出していく流れが出来つつあるようだ。