7日から11日までカリフォルニア州サンディエゴでMLB各チームの首脳や選手のエージェントらが一同に会し、来シーズンの陣容を決めるためトレードやFA選手との契約などの交渉を行うウインターミーティングが開催されている。

 このイベントからストーブ・リーグの動きが活発化することもしばしばだが、今回きっかけとなりそうなのが、9日遅くに明らかになったアスレチックスからFAとなっていた左腕、ジョン・レスター投手のカブス入りだ。

 レスターは2006年からレッドソックスに在籍し、2010年には19勝を挙げるなど先発陣の中心的存在として君臨した。今シーズンはレッドソックスで10勝を挙げた後、7月31日アスレチックスにトレードされ、その後も6勝を記録している。まだ30歳であり、大物FA投手の一人として注目されていた。

 気になる契約内容だが6年総額1億5500万ドル、7年目のオプション付きで更新した場合総額1億7000万ドルという大型契約だと報じられている。

 ただFOXスポーツ電子版やニューヨーク・ポストなどによれば、7年1億7500万ドルといったもっと良いオファーを提示したチームもあったもようだ。これに対し、カブスのセオ・エプスタインGMは2011年までレッドソックスでGMをしており、レスターと良好な関係を築いていることが今回の契約に結びついたと見られているのである。

 いずれにせよ、この契約が今FA市場の一つの指標になるのは確実だ。次に注目されているのはタイガースからFAとなっている今季18勝のマックス・シャーザー、元ロイヤルズで14勝のジェームズ・シールズ、元ヤンキースで今季10勝のブランドン・マッカーシーの動向だろう。シャーザーが30歳、シールズが32歳、マッカーシーが32歳とまだ先が見込めるため、大型契約になる公算が強い。

 日本人としては元ヤンキースの黒田博樹投手の行方が気になるところだが、現在はっきりとしていない。今季11勝を挙げ、5年連続二桁勝利を記録している黒田の評価は高いが、ネックとなっているのは39歳という年齢だ。さらに去就自体がはっきりしていない。CBSスポーツの電子版によれば、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは9日、黒田の代理人と交渉しておらず、ヤンキースに復帰するかどうかわからないと話したということである。

 レスターの契約からシャーザーなどが決まってくれば黒田への動きも本格化しそうだが、実際には年明けの交渉となるかもしれない。