27日に電撃的に発表された黒田博樹投手の広島復帰。ヤンキース、さらにはMLB残留を望む声が大きかっただけに、アメリカのメディアでは衝撃が広がった。さらにこの発表が広島から行われたため、伝聞系での報道になったのも衝撃の度合いを大きくしたように見える。

 26日付けのニューヨーク・ポスト電子版はこの件を「クロダ、ヤンキースをはねつけ日本に戻る」という記事で伝えた。冒頭、ヤンキースがまた先発投手を失うこととなった、とした後、「日本の報道により、CBSSports.comが確認した」としている。さらに「いくつかの情報源によれば、ヤンキース首脳陣は知らされていなかった」ともしており、寝耳に水だったことをにじませていた。

 さらに「彼は依然としてチームで最も安定した先発投手だった」と黒田を高評価したうえで、「彼が去ることでヤンキースのローテーションにあく穴は非常に大きい」と今回の件の影響を嘆いていた。

 実際黒田が抜けることで先発陣がどうなるか不安視する報道は多い。デイリー・ニューズ電子版は26日付けの「ヒロキ・クロダが去ることで、ヤンキースのローテーションに多くの疑問符」という記事で、現在考えられている先発陣の評価をしている。

 それによれば先発一番手は田中将大投手を挙げた上で、アメリカ1年目は素晴らしいピッチングを見せたものの「肘関節の部分断裂により欠場を余儀なくされた。最後の先発は不安定で、断裂が悪くなればトミー・ジョン手術も視野に入れるだろう」と不安要素を挙げた。

 2番手はCCサバシアだが「34歳の左腕はシーズン終了を余儀なくする膝手術により、7月でシーズンを終えた」と、たった1文の厳しい評価だった。

 この他、マイケル・ピネダとネイサン・イオバルディ、イバン・ノバを先発ローテーション候補に挙げているが、いずれも実績不足や故障明けなど不安要素を抱えていることを指摘している。

 黒田は来年40歳になるが、これまで5年連続で10勝以上、200イニング前後を投げ続けており、安定感という点では抜群の存在だった。それだけにヤンキースとしては再契約できなかったことは大きいと言わざるを得ない。

 同時にそんな存在が広島に、日本プロ野球界に戻ってくれることが嬉しくてたまらないのだが。