レンジャーズのダルビッシュ有投手(28)が女房役の成長を喜んだ。キャンプ2度目のブルペン投球は、昨季もコンビを組んだジメネスが捕手を務めた。招待選手として開幕メジャーを目指す立場だが、ダルビッシュのお気に入りでもある。「キャッチングがすごくよくなっていた」。自身の仕上がりとともに、相棒の成長も大きな収穫だった。

 23日(日本時間24日)は49球のうち、地面にたたきつけてしまった2球も含めてジメネスは後ろにそらすことはなかった。「ナイス!」「アタボーイ(その調子)!」「ビューティフル!」。そんな声をかけられ、ダルビッシュの球も力を帯びていった。最後は時速95マイル(約153キロ)はあろうかというフォーシームを低めに決めた。「最後は本当に力を入れた。自分とジメネスが感じていることが、ほぼ一緒じゃないかなって感じの球がいってます」と満足そうな表情を浮かべた。

 昨年、ダルビッシュはジメネスと話し合い、要望を出していた。その様子をジメネスは振り返る。「ミットを低めに構えると投げるターゲットが作りやすくなるから、低めにしっかり対応できるようにしてほしい、というのがユウの希望だった。捕球時も上から抑えるのではなく、球が来た場所でキャッチする練習を何度もしたんだ」。

 オフの特訓は効果てきめんで、ダルビッシュは「低めを捕る練習をしたって言ってました。すごく投げやすかったです」と太鼓判を押した。ジメネスは「投げるのはユウだから。彼の投げやすい形を作るのが自分の仕事さ」とかいがいしい。私生活では交際しているレスリング元世界女王、山本聖子(34)の妊娠が明らかになったばかりだが、仕事でも信頼できるパートナーが生まれそうだ。(サプライズ=佐藤直子通信員)

 ◆クリス・ジメネス 1982年12月27日、米カリフォルニア州生まれ。ネバダ大から04年ドラフト19巡目でインディアンス入団。09年に初昇格。マリナーズ、レイズ、アスレチックスを経て昨年3月にレンジャーズ加入。28試合で先発マスクをかぶったが8月にインディアンス移籍。昨季は42試合に出場して打率2割4分1厘、0本塁打、11打点。11月にマイナー契約でレンジャーズに復帰した。188センチ、100キロ。右投げ右打ち。