守護神が帰ってきた。レッドソックス上原浩治投手(40)が、ナショナルズ戦で今季初登板。いきなりセーブを挙げた。8-7の9回に登場。1回を3者凡退、2三振に抑えた。前日13日に故障者リストから復帰したばかり。チームの開幕8試合目にして定位置に戻ってきた。仲間とハイタッチを交わすと「ほっとしている。自分の中で今日が開幕なので、やっと合流できたかなという感じ」と勝利をかみしめた。

 復帰早々、ヒヤリとする場面があった。2人目の4番R・ジマーマンに、甘くなったスプリットを左翼ポール際に運ばれた。ファウルとなったが「片手であそこまでいく。低くいかないと危ない」。気持ちを引き締め直し、左飛に打ち取った。5番ロビンソンには長打を警戒し、5球連続で外寄りのスプリットを投じ、最後は空振り三振に。「1球甘くなってしまったが、取りあえず0点に抑えられてよかった」と振り返った。

 3月17日のオープン戦登板前に左太もも裏の張りを訴えた。復帰前のブルペン投球で「怖さはまだある」と話していたように、この日も「痛みとかは大丈夫だけど、まだ怖さは取れていない。投げていく中で怖さがなくなるのを待つしかない」と胸の内を語った。しかし、3日に40歳になったばかりの右腕は「年齢は関係ない」と言い切り、実戦復帰に向け入念に準備を続けてきた。

 これでチームは開幕3カード続けて勝ち越し。6勝2敗でア・リーグ東地区首位を走る。好調なナインの輪に加わった守護神は「けがをせずにやっていくだけ」と、短い言葉に決意を込めた。