大リーグ・レンジャーズは17日(日本時間18日)、藤川球児投手(34)をメジャー登録の40人枠から外し戦力外にしたと発表した。マイナーでのプレーに消極的な姿勢を示しており、現時点では日本球界復帰が現実的だ。12年まで所属した古巣阪神は調査を継続し、受け入れ態勢も整う。現在4位と低迷するチームのカンフル剤としても補強候補に挙がってきそうだ。

 かつての伝説的なリリーフエースが阪神に復帰する可能性が出てきた。太平洋を隔てて飛び込んできたニュースは戦力補強の検討に値する一報だった。救援右腕の藤川球児が大リーグ・レンジャーズを戦力外になった。この報道に接し、球団首脳も口を開いた。

 「阪神の功労者でもあるし、戻ってきてプレーしてもらいたい心情はある。向こうでの2年少々で、どんな投球をしてきたかはあるけど、検討したい」

 藤川は阪神の守護神として球団最多の220セーブをマークし、13年にFAでカブスに移籍した。同年6月に右肘靱帯(じんたい)を移植するトミー・ジョン手術を受け、昨年8月にメジャー復帰。新天地レ軍と1年契約を結んだ今季は、キャンプ終盤で右脚付け根を痛めて故障者リスト入りし、14日ロイヤルズ戦で戦列復帰したばかりだった。復帰戦は9球で3者凡退としたが、連投した翌15日インディアンス戦では2/3回を投げて2安打3失点だった。メジャー登録されながら、2試合で戦力外。勝負の世界の現実を突き付けられ、藤川は野球人生の岐路に立つ。

 メジャー他球団からのオファーは望み薄で、日本球界復帰が有力とみられる。受け入れ態勢を整えているのが阪神だ。これまでも継続的に調査を行ってきた。不動の守護神、呉昇桓がいるが、中継ぎ陣は手薄な事情もある。経験を生かせるセットアッパーだけではなく、球団首脳は「投球技術があるから、先発もできないことはない」と話し、先発起用案も浮上する。現在、支配下選手登録は67人で、70人枠も支障なくクリアできる。

 この日、大阪市内の電鉄本社で対応した坂井信也オーナーも「向こうからのお話がなかったら、こっちも何も動くことはできない。それからの話ですね」と話し、置かれている立場を察した。古巣も球児の動向を見守る。