米大リーグのレンジャーズを戦力外になった藤川球児投手(34)が、日本球界復帰の場合は古巣阪神が最有力候補に挙がっていることが23日、分かった。レ軍はメジャー40人枠から外す手続きをしていた藤川を解雇ウエーバーにかけたことをこの日、発表。週明けの25日から日本球団も交渉が解禁される。藤川は家族と相談しながら進路を決めるが、日本復帰ならタテジマに袖を通す可能性が高い。

 メジャー挑戦していた藤川の阪神復帰が色濃く現実的になってきた。17日(日本時間18日)にレンジャーズの40人枠から外れる戦力外になった後、レ軍からマイナーでの再契約を打診されていたとみられるが、この日までに拒否。レ軍は22日に解雇ウエーバーにかけたことを発表した。現時点では米メジャー球団のオファーを待つ段階だが、限りなく望み薄で、日本球界でのプレーが濃厚な状況だ。

 レ軍のジョン・ブレーク広報部長によると、手続きは2日間で終了し、24日(日本時間25日)にはフリーエージェント(FA)となって日米含めて、どの球団とも制約なく交渉が可能になる。阪神史上最多の220セーブを挙げ、海を渡った「火の玉ストレート」の剛腕に注目は集まるが、大本命は古巣になるだろう。

 米国に滞在中の藤川は今後に関する結論を急がず、家族と相談しながら熟考するもようだ。マイナーでプレーする意思はなく、米球界に区切りをつけることが確実。選択肢は日本球界への復帰か、今季はプレーせず来年以降に方向性を定めるか、あるいはオフも考えていた現役引退かになる。日本復帰となれば、古巣阪神に戻る可能性が高い。関係者の話を総合すると、メジャー移籍後も阪神の状況を気にかけており、14年間を過ごしたタイガースへの思い入れは強いという。

 今年1月も、阪神のキャンプ地である沖縄・宜野座で阪神時代の後輩である筒井、鶴、玉置と合同自主トレを行った。かつての盟友たちと関係を保ち、オフにはチームスタッフら関係者とも会ってきた。関西での生活にも支障はない。日本球界でプレーするなら、タイガースの環境はベストと言える。古巣阪神も着々と受け入れ態勢を整える。野球人生の岐路に立ち、安直な結論は出さないだろう。覚悟を固めた先に何が見えるのか。たとえ、争奪戦になっても、日本球界に復帰するなら、タテジマでのプレーが最有力になっている。