右太もも裏の張りで一時離脱していたヤンキース田中将大投手(26)が、レッドソックス戦で先発に復帰し、5回5安打4失点だった。勝敗は付かなかったが、登板が確実視される10月6日のワイルドカード(WC)ゲームへ向けて、手応えも口にした。

 延長の末、ヤ軍が敗れ、自らも不本意な投球に終わっても、田中の表情に暗さはみじんもなかった。5回4失点、95球の復帰登板。反省のマイナス面以上に、収穫を得たことがプラスだった。「今日、投球できたことで、今後の状態に自信を持てると思います」。

 18日(メッツ戦)以来、中11日のマウンド。1回表2死から2走者を許すと、5番ショーにフルカウントから右翼席上段へ運ばれた。今季25本目の被弾にして、初めての3ラン。「自分の思っているボールと違い、ちょっと面食らった部分はありました」。右足の蹴りを加減したような印象は拭えず、いつになく制球に苦しんだ。今季ワーストのストライク率59%で、打者21人中、初球ボールが10人。そのうち7人に対し、2-0とボール球が続いた。

 この日が公式戦最終登板。2年連続で規定投球回数に届かず、12勝7敗の成績にも満足はできない。だが、まだ先はある。ヤ軍は3連敗したものの、ライバル球団が相次いで敗れたため、プレーオフ進出マジックは「1」。6日のWCゲームは、田中先発が確実視されている。「今日より絶対良くなっているとは思います。気持ちも体も、そこに向けてしっかり準備していくだけです」。逃した白星は、大一番で取り返すしかない。【四竈衛】